1965年にTD150を発表して以来、サブシャーシを備えたターンテーブルがマス・マーケットに適していることを実証し、この原理は広く採用され、模倣され、発展してきました。
数多くのトーレンスの製品ラインナップの中でも、最も成功し、よく知られているのはTD160です。このモデルは、さまざまなバージョンが展開され、ほぼ30年間生産され続け、他のどのターンテーブルよりも、トーレンスの DNAを表しています。 TD160このような伝説的モデルの後継機を開発することは、トーレンスが進んで引き受けた真の挑戦です。したがって、新しいサブシャーシ・ターンテーブルTD1601およびTD1600は、50 年前のオリジナルTD160 と同じ革新的な精神、細部へのこだわり、最高 のアナログ音楽再生に対する情熱を体現しています。
TD160
更なる外部振動の遮断を目指し、本機では新たなサブシャーシ構造を採用しました。
3つの円錐スプリングが重いサブシャーシを支えていますが、これらのスプリングはベースプレート上に設置され、サブシャーシはその上に置かれており、従来のように吊り下げられてはいません。
スプリングの調整も底板を開けることなく、下部より容易に調整できます。
完全に切り離されたシンクロナス・モーターは、最高級のトーレンスの伝統に従って、重いインナー・プラッターと正確に配置されたソリッドなアルミニウム製のアウター・プラッターをグランドベルトで駆動します。 トーンアームは専用トーンアームベースにマウントしています。
TD160と同様、この構造上の工夫は主に1つの目的を果たします。それは、再生中にレコードとトーンアームを周囲の環境から可能な限り遮断し、外部から伝わる振動が繊細なレコードの溝のトラッキングを乱さないようにするこ
とです。
これにより、スタイラスは溝壁のあらゆるニュアンスを感知し、音楽の細部まで聴き取ることができます。
TD1600とTD1601 のまったく新しい設計は、オリジナルのTD160 に基づいていますが、さまざまな技術革新により、サブシャーシの原理がまったく新しいレベルに引き上げられています。従来と同様に、サブシャーシを支える円錐スプリングには共振減衰フォームが充填されており、振動を素早く抑制します。プラッターとトーンアームの ベアリングは、強固なアルミニウム・プレートにマウントされており、構造全体に大きな安定性をもたらしています。
プラッターベアリング自体は、ベースプレートに対して方向を変えながら細いスチール糸でテンションをかけられ、モータープーリーとプラッターベアリングの間に軸の正確な延長を形成します。これによりプラッターにかかるモー ターの駆動力によるサブシャーシのぐらつきがなくなり、プラッターはピストンのような上下運動のみになるので、レコード溝内の音楽をトラッキングしながらも、トーンアームやスタイラスを乱すことのない動きを実現しています。
これは、特にMC(ムービング・コイル)カートリッジを使用する場合に有益で、両モデルに搭載されているバランス XLR出力が真価を発揮します。
ターンテーブルの心臓部は、依然としてドライブシステムです。そのため、本機の開発では、新しいシンクロナス・モーターに最大限の注意を払いました。 インテリジェントな制御エレクトロニクスにより、選択されたターンテーブル速度が正確に維持されます。
モーターに常に十分な電力を供給し最大限の音質を引き出すために、最新の16V外部リニア電源TPN1600を新設計しました。この外部電源には、余裕のあるサイズのトロイダルトランスを採用し、既存のフィルタリング容量とともに、想像しうるあらゆる動作条件下でシンクロナス・モーターに必要な電圧を供給します。 これにより、電源の問題による音楽信号のわずかな乱れも確実に排除されます。
バランス接続は、プロフェッショナルの世界での標準です。フォノ信号は大幅に増幅する必要があるため、電気的干渉に対して特に敏感です。XLRソケットを介したバランス接続により、ターンテーブルとフォノ・プリアンプの間で最も干渉の少ない接続が保証されます。
「真のバランス接続」を使用するには、ターンテーブルにムービング・コイル(MC)型カートリッジが搭載されている必要があります。
TP160 は、スタジオ・テクノロジーに由来する伝統的なJ型9インチ・アームです。高品質のナイフエッジ・ベアリングに導かれ、信頼できるSMEコネクターを備えた精密なアルミニウムチューブで構成されています。画期的なマグネット・ガイダンス・システムにより、ふらつきを防ぎます。
TP160は、トーレンスの歴史上、初めてナイフエッジ・ベアリングを採用したモデルです。アンチスケーティングは、スプリングを使用する伝統的な方法で調整され、アームの高さ(VTA) とアジマスの調整も可能です。
目盛り付きの2ピース・カウンターウェイトは、必要なトラッキング・フォースの調整を簡単にし、最大30グラムの重いカートリッジでも正確にバランスさせることができます。 さらに、TP160はSME接続の機械加工された着脱可能なヘッドシェルを備えており、様々な高品質のカートリッ ジに対応できるようになっています。
伝説的な先代モデルと比較して、TD 1601は今日、このクラスでまったく新しく、他に類を見ない革新的な機能を誇っています: タッチレス・エンド・オフ機構を備えた、トーレンスが特許取得済みの電動トーンアーム・リフターを装備しています。 この機構はターンテーブルの他の電子機器から完全に独立しており、リフト自体に直接組み込まれたミニモーターは、ボタンを押すだけでトーンアームをスムーズに下降・上昇させ、レコードの溝に優しく導きます。
光電子トリガーのエンドオフ機構は、スタイラスがランアウト溝に達するとプラッターを停止させ、アームを持ち上げるオートリフトアップ機能を備えています。 これにより、繊細なスタイラスを保護します。
機能 | TD1600 / TD1601 共通:サブシャーシ構造・マニュアル・ターンテーブル TD1601 のみ:電動リフター、オートシャットオフ |
ドライブシステム | ベルトドライブ, アルミ・サブプラッター |
モーター | 電子制御安定化ACシンクロナス・モーター |
回転数 | 33-1/3, 45 rpm. |
回転数選択 | 電子式 |
プラッター | 30cm / 4.2 kg (アルミ) |
トーンアーム | トーレンス TP 160 ナイフエッジ・ベアリング・トーンアーム |
トーンアーム有効質量 | 14 g |
カートリッジ | - |
アンチスケーティング | スプリング式 |
出力端子 | RCA / XLR |
電源部 | TPN 1600 2x 16V 外部リニア電源(トロイダルトランス搭載) |
外形寸法 | 454 x 180 x 369 mm (W x H x D) |
質量 | 11 kg |
仕上げ | ウォールナット・ハイグロス |
ダストカバー | アクリルダストカバー付属 |